おととい母から電話がありました。話のついでに、このごろは納豆を日に2個食べている、と。2粒じゃなくて、2パック。
「いくら納豆が体にいいからって、そりゃ食べ過ぎでしょ。またみのもんたに煽られたな」
「いいや、今度はおもいッきりじゃなくて、あるあるだよ」
「どっちにしろ、テレビに振り回されるのは情けないんだってば」
翌日新聞を開くと、スーパーで納豆の棚が空っぽになったという記事が・・・。
日本人のTV依存と右へならえ精神は、頭が空っぽの証です。
その数日前、『えっヘン(藤田紘一郎/講談社)』という本を読んだばかりでした。著者はカイチュウ博士で通っている異端の医学者。歯切れのいい論断と駄洒落のオンパで、現代日本人のヘンな健康意識やヘンな価値観を斬っていくのであります。歯が切れるあまりやや決めつけ過ぎる嫌いはあるけど、うなずける部分が随所に見出せます。
その中にもありました。偏った情報に踊らされ、偏った食物を追いかけるフード・ファディズムへの批判が(faddismは流行を追うこと)。結局『粗食の過食で逆太り』になるそうです。
バナナがいいと言われればそれを食べ、チョコレートが効くと聞けばそれを食べ、りんごで長生きなんて情報が入ればそれを食べ・・・ご飯を食べようとしたらすでに腹いっぱい。
買い漁られ品切れになった食品は、値上がりや品質低下のおそれがあります。商機到来とばかりに増産体制を整えた工場は、ブームの終焉とともに倒産の憂き目に遭ったり。テレビとは罪作りなものです。
納豆に罪はありません。
でも食事は1日にわずか3回なのです。そのうち2回を納豆に占領されて平気ですか?
人生は短いんだから、もっといろんなものを食べたいに決まってます。もちろんいろんなものプラス納豆という選択もあるけど、わざわざ胃を広げて過食癖をつけるメリットがどこにある。
納豆が好きで好きでたまらない人ならともかく(そんな人はすでにたくさん食べて効果を実証しているはずだが)、そうでない人が無理に納豆を食べるのはかなりのストレスです。なんたってこれほど個性の強い食品も珍しい。
テレビで『○○がいい』という話を聞いても、脱兎のごとくダッとスーパーに走るのでなく、とりあえずは冷蔵庫にあるものをおいしく食べて、しかる後にゆっくり考えましょう。良いと言われるものをすぐに食べなくても死にはしません。
効果があるか薄いかは、乗せられていち早く実践した人々が示してくれるでしょう。それを見極めてからでも遅くはないのです。
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